日帰り手術について
対象疾患
合併症について
- 眼内炎
- 術後眼内にばい菌が入りこんで化膿する事が極めて稀にあります。
放置すると失明に至ることがあります。
術後に見え方が急におかしくなったり、強い痛みや充血を認めたら必ずご連絡ください。
- 駆逐性出血
- 術中に血圧が上がったり、強く緊張するなどの負荷が加わると、
眼内で突然大出血を起こす事が稀にあり、発症した場合は手術を中止致します。
出血の状況にもよりますが失明に至る可能性は0ではありません。
- 網膜裂孔、網膜剥離
- 硝子体を切除する際に網膜に穴(裂孔)が開いてしまう事があります。
手術の技術によるものではなく、硝子体と網膜の接着が強い方に起こり易く、事前に予測する事は困難です。
裂孔から網膜の裏に水がはいり、網膜剥離に至った場合は再手術が必要となります。
- 出血
- 術後に、眼内に出血(硝子体出血)が生じることがあります。
出血が少量であれば自然吸収を待ちますが、吸収が遅い場合は再手術をして取り除くことがあります。
- 眼圧上昇
- 術後に眼圧が上がることがあります。
点眼、内服などで治療を行いますが、それでも眼圧が下がらない場合には、緑内障の手術を必要とすることがあります。
硝子体と硝子体手術について
硝子体は、水晶体の後方にある卵白のようなゼリー状の組織です。
硝子体が様々な原因により、網膜を引っ張ったり、濁ったりすることで目の疾患が発生します。
硝子体手術とは、これらの疾患を治療する目的で硝子体を一緒に切除する手術の総称です。
硝子体は網膜と密接に関与しており、一般的に硝子体手術=網膜の病気に対する手術という位置づけです。
硝子体を切除するために、白眼に3カ所 0.4mmの穴をあけ、
眼内を照らす照明、硝子体を切除する吸引カッター、眼内に水を送り込むチューブを設置します。
その後、細い器具で疾患に応じて眼の中の出血や膜を除去したり、レーザー治療を併用したり、ガスを注入したりします。
白内障がある場合は同時に白内障手術を行うこともあります。
当院は、27G(ゲージ)システムによる日帰り硝子体手術を行っています。
27Gとは、約0.4mmの目に見えないほどの穴を使用した手術で現時点で臨床で使用できる最小サイズの術式です。
穴が小さいため、眼への負担やストレスが少なく、術後の回復が早くなります。
手術の内容や術後視力は、患者様の病気の状態によって様々です。
個々の疾患や状態については個別に詳しく説明をさせていただきます。
手術終了時に硝子体内にガスを入れる場合、術後にうつむき姿勢が必要になります。
網膜剥離や黄斑円孔の場合は必ず必要になります。
うつむき指示について
手術終了時に硝子体内にガスを入れる場合、術後にうつむき姿勢が必要になります。
トイレと食事以外は就寝時も24時間うつむきが必要で、その期間の生活スタイルが大幅に変わります。
うつむき期間にできないこと
外出はできません
24時間ご自宅にてうつむき姿勢をとっていただきます。
受診日以外の外出はできません。
車の運転はできません
うつむき期間中の通院は手術翌日、3日後、7日後、14日後の4回となります※。
この間はご家族に送迎していただくか、タクシーをご利用ください。
うつむき解除の指示が出ればバスや電車での受診が可能となります。※経過によって変わります。
お仕事はできません
勤務先には念のため2週間程度の休職を申し出てください。
食事の用意はできません
ご家族の支えがある方は家族に用意していただくことになります。
お一人暮らしの方は近隣提携病院への入院をおすすめ致します。
洗顔、洗髪、入浴は できません
術翌日から短時間の衣服の着脱、首下シャワー浴は構いませんが、必要最低限でお願いします。
顔はおしぼりなどで拭いてください。
うつむき解除後の洗顔、洗髪、入浴についてはその都度指示させていただきます。
飛行機には乗れません
ガスが完全に抜けるまでは飛行機に乗ったり、高度の高い所(登山など)には行けません。
眼内でのガスが膨張し失明に至ります。
手術を受けるスケジュール
手術前
初診・再診
診察・手術予約をします。
手術前
術前検査、手術説明をします。
ご家族の方と一緒にお越しください。
手術3日前から
術前点眼を開始します。
手術前日
入浴・洗髪を済ませてください。
手術当日
朝も術前点眼をしてください。
決められた時間までにお越しください。
手術後
手術当日
手術直後より保護眼鏡を装用してください。
入浴・洗顔・洗髪はできません。
痛みがあれば我慢せずに、痛み止めを内服してください。
術翌日
術後診察があります。
首から下のシャワー、入浴が可能です。
点眼開始してください。
術後1週後
洗髪・洗顔が可能です。
(眼の圧迫をしたり、水が入らないように注意してください)
保護眼鏡を外しても大丈夫です。
術後1ヶ月
日常生活にほぼ制限がなくなります。
※症例により上記スケジュールとは異なる場合があります。