疾患について

緑内障について

緑内障とは、目から入ってきた情報を脳へ伝達する視神経という部位が傷害され、視野が狭くなってしまう病気です。
現在の医学では緑内障で失われた視野を回復させることが出来ず、緑内障の治療とは進行を抑制するということになります。

緑内障の進行には眼圧(目の中の圧力)が深く関わっており、
眼圧が高いと視野障害は進行するため、眼圧を下げることが緑内障の治療となります。
点眼治療がメインとなりますが、軽度から中等度の緑内障の方は低侵襲な手術やレーザー治療で効果がある場合もあります。

iSTENT inject® W

軽度から中等度の緑内障の方でIOPを低下させるために、白内障手術と併用して使用します。
直径360μmのチタン製ステントを眼内に挿入し、目の中の水(房水)の流れを良くして眼圧を下げます。
従来の方法と比較し低侵襲で、同等の眼圧下降効果が期待できると報告されています。

SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)

症状が比較的軽い方に使用します。
眼圧下降効果は点眼1本分程度で、照射後3年で眼圧下降が維持できるのは約40%と報告されています。

目の中の水(房水)の出口である線維柱帯のメラニン色素をレーザーで選択的に照射し、房水の流れを改善します。
また繰り返し治療を行うことが可能です。

短時間での外来治療で行える点に加え、合併症や副作用が起きにくい点が特徴です。
従来は緑内障と診断された方はまず眼圧下降作用のある点眼治療から開始することが主流でした。
しかし、近年点眼を開始する前にSLT治療をした方が視野の進行が遅いという報告もありました。
点眼をせず眼圧下降が維持出来れば、点眼の煩わしさや医療費が軽減できるというメリットがあります。